朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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即興詩「金色のゆめ」




   「金色のゆめ」




 夜半過ぎ 目覚めたら
 私は天空の月になって 眠る街を見おろしていた

 やすらかに眠る人には もっとやすらかな眠りを
 くるしそうに眠る人には その痛みをわすれるように
 眠る魂の隅々までをそっと照らすように 金色の光を注ぐの

 さて 眠れない人には どうしてあげたらいいのかしら
 眠れないなら 眠らなくてもいい
 ただ、うつむいて 足下の穴を見ないで
 そっと私を見つめて
 眠らなくてもいいから 私を見つめて

 眼をひらいたまま 夢を見るのよ
 金色の夢

 どこかで戦争が起きていて
 どこかで街の銀行が壊れて人々が狂うほどに嘆いて
 どこかで明日の食べ物さえなくて路上で人が死ぬ
 働いても働いても しあわせが手のひらからこぼれる
 それがこの地上の現実
 あなたの足下にもそんな穴があなが空きかかっているのかも

 だから眠れないのだと 嘆かないで
 夢などこの地上にないのだと 美しいものさえ忘れてしまわないで

 手を差し伸ばしても差し伸ばしても
 心裏切られ 
 心ひらいてもひらいても
 心傷つけられ
 ひとり涙をこぼす
 そんな キミもこの地上にいる それも現実

 だから眠れないのだと あきらめないで
 夢などこの天上にさえないのだと 空を見上げる心さえ忘れてしまわないで


 私は天空の月
 眠れないときには そっと抱きしめて
 あなたの心を 金色の光で満たしてあげる

 私は天空の月
 眠るあなたを抱きしめるためにここにいるの
 そして眠れないあなたに抱きしめられるためにここにいるの

 あなたが見つめるから 輝くことが出来る
 あなたの光を受けてはじめて 輝くことが出来る
 あなた自身の中にも光があって 輝くことが出来ること
 知ってほしいの

 ほら 自分自身の またたきはじめた光に気づいたら
 すこし 眠くなってきたでしょう
 ほら 金色のゆめのしっぽが あなたの手のひらに
 にぎられていることに 
 気づくこと 
 できたでしょう
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by forest_poem | 2008-10-27 05:49 | 詩 未分類
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
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