朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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Archive 長詩「やさしく歌って」



   「やさしく歌って」



 やさしく歌って あなた
 旅立ちのその前に 
 明日出ていく 南洋船の積み荷にこぼれた 薄荷水の
 青いガラスの瓶詰めの恋

 ただ珊瑚樹の赤い実ついばむ つぐみのように
 あなたの歌だけうたって暮らしたかった

 だから探しに行くの 空を行く私の翼に祈りをください
 長い長い旅を行く白い翼に 力をください
 水平線の消えない「光」をめざし 銀の糸を織りながら



 やさしく歌って あなた
 旅立ちのその前に
 瞳をみつめて そっと抱きしめ 炎より静かに口づけて
 耳に消え残る青い粒子のスパークル

 ただガジュマルの葉陰に宿る 蒼い月のように
 あなたの物語を胸にきざんで生きていく

 もう一度たどり着くの 海を行く私の翼に祈りをください
 遠い遠い旅を行く白い翼に 力をください
 終わらない夢の頂で待っている紅(くれない)の雲に染められて


 やさしく歌って あなた
 旅立ちのその前に
 決して消えない銀色の傷を心に刻んで
 この痛みを抱いているからこそ 私は生きていける
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by forest_poem | 2008-04-08 23:52 | 詩 未分類
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
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