Archive 詩集『生命の森にたたずむ午後に』 より 「蔦(つた)」



  「蔦」



 からみつく
 つめたいレンガに
 ゆれる蔦の葉ゆれる
 張り出しアーチ窓にゆれる

 あの娘の愛した
 あの男のこころ
 奪って闇に消えた
 長い栗毛の痩躯の女が
 路地裏に残していった
 プワゾンの残り香
 
 一緒にあの娘と飲んだ酔えない涙酒も
 石壁に蔦の絡まるカフェ

 わたしもたぶん綺麗な月の晩には
 忍び歩く白い猫のように
 蔦のようにからみつく
 愛しい男の胸

 蔦は夜に似ている
 そしてすでに女の一部分である

by forest_poem | 2006-11-18 12:48 | 詩 未分類 | Comments(0)

創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by 朋田菜花
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