朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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即興長詩 未分類 「スピリチュアル」



  「スピリチュアル」



 スピリチュアル
 それは運命の天地を飛ぶ白い鳥の翼
 スピリチュアル
 それは生まれながらにして誰もが持つ透明な光


 恋人よ
 あなたは自分の魂から削り取った
 命の欠片を私の胸に突き立てて
 なぜ私を置き去りに去っていこうとするの

 私に刺さったこの白い棘はとても痛いけれど
 あなたの魂から削り取るときはもっと痛かったはず

 あなたは言ったわ
 「そうすることが、君を救うのです。僕を救うのです」


 美しいその言葉に運命の哀しさに最初は泣くしかなかった
 もうそれしか混迷から抜け出す答えがないようにも思えた
 だけど泣き濡れて一人走りぬけた嵐の夜 
 雨に打たれた冷たい頭で考えて 考え抜いて
 それは違っていることに気づいたの
 あなたのその言葉が美しすぎて
 本当の答えが見えていなかったのよ


 いつか二人は、白い鳥の翼を撫でながら
 こんな風に話したわね
 飛べるようになったばかりの小さな鳥は
 強い向かい風を乗り切る強さもなくて
 回り道しながら楽に飛ぶ器用さもなくて
 傷つきながらもそれでも飛んでいくしかないと

 それでも飛んでいくことが大空を行く鳥の宿命なら
 逃げないことこそが苦難を生きる者の最後の砦
 自ら自分の命を傷つけ私の命を傷つけそれで何が得られるの
 運命から負った傷だけでもう十分すぎるのに
 なぜ互いに傷つけ合わなくてはいけないの


 だから私は言うわ
 「逃げないことが、あなたを救うのです。私を救うのです」

 
 スピリチュアル
 とても純粋なものだけが運命に射す黒い霧に翻弄される
 スピリチュアル
 とても純粋なものだけが運命を耐え抜き白い光に最後は輝く


 だから私は信じるわ
 ここに留まりこの大地で生き続けることが全ての答えを導くと
 あなたが輝く瞳で私の隣で生きていくとき
 全ての扉は開かれると


 スピリチュアル
 それは運命の天地を飛ぶ白い鳥の翼
 スピリチュアル
 それは生まれながらにして誰もが持つ透明な光


 だから私は今日も林檎の木に水を与え
 森の深さを信じて生きていくの
 私はいつもここにいる あなたもいつもここにいる
 森は深さを増し 命の森は深く濃くなっていく
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by forest_poem | 2006-09-25 01:20 | 詩 未分類
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
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