朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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音楽に添えて_邦楽編013_「失われた鏡」

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アーティスト:ナイトメア 曲:忘れな草
(★画像をクリックすると音楽のページが開きます by you-tube)








「失われた鏡」 文 朋田菜花





その壁にはね

失われた鏡がいまも形なく掛けてあって

夜12時をすぎるとアーチ型の扉が開くの

そう まるで私の失くした心の鍵が開くみたいに

家族は鏡の失われた壁を見るたびに

私のことを気遣って沈黙したまま

無言で食卓を囲んだ



そんな砂をかむような時間を

何日も何カ月もこのまま過ごすのかと

そう思っていた




何度叫んでも涙流しても

届くはずないから 冷静を装って生きてきた

クールに微笑んでる私しか人は知らない



失われた鏡の通路の向こうに

ちいさな隠し部屋があるの

ロザリオのしまってある宝石箱の隣に

あなたそっくりのマリオネットが座ってる

糸で操って こんにちは とか バイバイ とか

アイラブユー とか 言わせてみたり

むなしい一人芝居を重ねてきた



そんな悲しい時間とも今日でお別れ

鏡の通路を漆喰でふさぐから

さよなら さよなら マリオネットの恋

もうあなたとは永遠に逢えない

夢でめぐりあうことももうないから

そちらの世界で素敵な恋をみつけてね



永遠に鏡は失われ こんどこそ本当に失われ

アーチ型の出入り口はもう開かなくなったから

アフロディーテに扉の鍵を託して

誰もがもうそこになにが置かれていたか

記憶を喪失した そして まるで

森に棄てられたダビデ像のように

誰もあなたのことを思い出さなくなった













いまや、国際認知をかちとりつつある日本のロックアーティスト「ナイトメア」
彼らの代表的なロスト・ラブソングのうちのひとつ「忘れな草」を今回のお題にしてショートストーリイを綴ってみました。

家の中に、なにか失われたものがあるということと、心の中にぽっかり失われた部分があるということとはどこかシンクロしているような気がします。
何かを忘れるためには、それを片づけたりあるいは全く違うものとして模様替えしてしまうことなどが必要かもしれませんね^^
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by forest_poem | 2013-09-24 23:34 | 音楽に添えて
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
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