漂泊の森NO.008 「野甘草(ノカンゾウ)」
2013年 08月 25日
アーティスト:Schiller 曲:Destiny
(★画像をクリックすると音楽のページが開きます by you-tube)
「野甘草(ノカンゾウ)」 詩 朋田菜花
山間の村には病人がいた
祖父からもらった薬袋から野甘草をとりだして
煎じて飲ませた
珍しい薬なのですか と問うので
ほら あの黄色い花です と指さすと
村人が振り仰いだとたん
土手の野甘草たちは いっせいに
早乙女が微笑むように 風に揺れてみせた
★早乙女=ごく若い少女のこと
おもに七月の高原などに生えるオレンジがかった黄色いユリが甘草(カンゾウ)です。
いわゆる、漢方のカンゾウ。いにしえの人々は根を煎じて風などの熱さましに飲んだそうです。
でも、花の美しさが私は好きです。
七月の高原は、カンゾウさけではなく、マツムシソウ、キスゲ、ワタスゲ、ナデシコなどの花々が一斉に咲き誇り、さながらお花畑のよう。
雲の上のお花畑を散歩しに、またいつか訪ねてみたいです。
トレッキングは大変だけど、心洗われる瞬間にいくつも出会えます。
by forest_poem
| 2013-08-25 00:01
| 漂泊の森_短詩綴り