朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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音楽に添えて_邦楽編003_「運命の森であなたと」

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アーティスト:Cocco 曲:樹海の糸
(★画像をクリックすると音楽のページが開きます by you-tube)





「運命の森であなたと」 文 朋田菜花



運命の森の奥ふかく
産土神(うぶすながみ)にまもられた美しい泉があり
こんこんと水がわき出ているのです

この湧水のみなもとより奥へは
あなたは入っていけるけど
わたしは赦されぬと神木の樹精は告げた

この森の森神ではなく
ほかの森の精霊の一族であるゆえ
この奥の聖地へは
踏みいることは許されぬと


あなたは迷っている
あながは苦しんでいる


わたしを強く抱きしめる腕が
少しふるえている


わたしをあきらめて永遠を手に入れるか
永遠をあきらめてわたしとともに生きるか
あなたに選べというのが残酷すぎる


ここに来る前から
そう告げられることは
わかっていたから昨夜言ったの
「あなたとともに生きられぬなら
 いっそ その手で こ…ろ…し‥  」
あなたは言葉をさえぎりただただ
強くわたしを抱きしめた息もできないほどに
つよく…強く


あなたの決めた通りに従うわ
愛し合い別れていくことに悔いはないの
愛された証を胸に刻んで生きていくから


あなたはまだ立ち止まっている
運命の森をどちらに進むか
わたしだってまだ
温かいあなたの手を
離したくはないのよ


一瞬の永遠を
永遠の一瞬を
森の木々たちが息をひそめ
見守っている






(★産土神=産土神は、神道において、その者が生まれた土地の守護神を指す。その者を生まれる前から死んだ後まで守護する神とされており、他所に移住しても一生を通じ守護してくれると信じられている。産土神への信仰を産土信仰という。)



沖縄出身の、シンガー・ソング・ライターCoccoの作品の中でも最高傑作のひとつに数えられるこの「樹海の糸」。運命の糸がからまりもつれあてって、恋人同志がそれぞれの目指す夢をかなえるためには、二人の恋の存続をあきらめねばならない、だけれどもいとしく互いに想い合っているから‥‥そういう絶体絶命の運命の選択を描いた、物語がぎゅっとつまったような歌です。
何度聴いても胸が苦しくなるほどにせつなく悲しい、自分だったらそんなとき、どうするんだろう‥と迷いながら音の波にのまれて聴いています。

私の添えさせていただいた作品は、それを森の精霊とともに生きる人に寓意させて短いストーリィとして描かせてもらいました。

いつの時代も、出会いは華やかで美しく
別れはせつなく苦しいもの‥
運命に翻弄されても
強く生き抜いてほしいですね。
素敵な恋人たちには。



さて、明日から本シリーズに復帰しますが
木曜日から旅に出るので、更新がすこし
まばらになるかもしれません。
とりあえず、お知らせまで。


ではでは、
いつもありがとう。
よい一日を。
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by forest_poem | 2013-07-16 00:51 | 音楽に添えて
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
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