朋田菜花の「ときには森を抜ける風の音のように」

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即興長詩 「~羊飼いの歌がきこえますか?~」



    「~羊飼いの歌がきこえますか?~」



 詩 朋田菜花






 いつもありがとう

 いっぱいありがとう

 あなたのために

 みかん色のともし火を

 あの窓にともして

 あなたの帰る家路を とおく

 照らし続けていたい そう思った




 でも それは かなわぬ願い

 私の首はそんなに長くはないし

 私の背はそんなに高くもない

 ラプンツェルのようには髪も長くないけど

 あなた色のガラスを焼いてみようと

 電気炉に火を落としてみました





 時間が巻き戻せるなら

 あのころのあの喫茶店で

 あなたの隣に座ってみたい

 私はね あのころも今も同じ長い黒髪





 ふるさとが近いんだったよね

 あなたのふるさとと私の祖先のふるさと

 となりあわせの街でどこか同じ味のお料理

 きっと食べて生きてきた

 風のにおいもきっと似ていて

 海から湿気を含んだ雲が

 にわか雨を降らせるのが

 誰に聞かなくても自然にわかるようになる






 その街に暮らす前はね

 私の祖先は牛飼いをしていたんだよ

 小さいやさしい目をした牛を数頭

 おいしい草のある場所をさがして

 いっしょに村をあちらからこちらへ

 こちらからあちらへ

 ともに流れ流れるようにさすらって

 おいしい牛乳を売って暮らしていた

 いつか街に腰をおちつけ

 いつか学問所を築きあげ

 いつか長(おさ)といわれる人になったらしいけど

 私も祖先の昔に戻れるのなら

 堅苦しいことはぜんぶ脱ぎ捨てて

 牛飼いか羊飼いをしてみたいな





 うん 次に生まれ変わったら

 羊飼いとして 

 青空と雲だけ追いかけながら

 風の歌を紡いでみたい





 ららららららら らぶソング

 ららららららら フォーリンらぶ

 るるるるるるる ルート66

 りりりりりりり りんご追分

 白い雪の中で 赤いりんご

 一粒 手のひらにのせて差し出して

 私のハートより 私のくちびるより

 赤く燃えているの





 あなたの場所から 見えますか?

 羊飼いの歌 きこえますか?

 夢の中まで きこえるように

 そっと ささやきながら

 歌ってみます 今夜も

 I miss You

 
 静けさは 波の音を

 子守唄に 変えてくれたから

 涙のしずくは 雨へと変わりました





 羊飼いの歌 きこえますか?

 夢の中で 飛びはねる羊たち

 柵は飛び越えました

 駈けぬけています

 月の夜の空を羽ばたくかのように

   金色の羊 金色の星になあれ

   銀色の羊 銀色の星になあれ

 おやすみなさい おやすみなさい

 いい夢いっぱいかなえてあげたい

 かなしい現実はただの幻(まぼろし)に

 すてきな夢は真実に




 おやすみなさい おやすみなさい

 羊飼いの歌 きこえましたね






+:*☆*:+.+:*☆*:+.+:*☆*:+.+:*☆*:+.+:*☆*:+.


あけましておめでとうございます。

て、遅すぎますよね^^
今年初めての投稿になってしまいました。
即興長詩書き下ろしです。

曲も添えようかと思いましたが
今回はやめにしました。

祖先が牛飼いをしていたというのは
本当の話です。ええもちろん日本国内です^^
ニュージーランドにいったとき
ああ羊飼いって 素敵だなぁって思いました。
「善き羊飼いの教会」というマウント・クックのふもとの
小さな教会や その近くの木こり小屋で山岳ガイドさん
に淹れれいただいたコーヒーとか 緑の果てしない草原
とか 原始の時代をおもわせる羊歯の樹林やら
素敵なものがいっぱいありました。
フィヨルドから滝がいっぱいしたたり落ちる氷河地形やら
万年雪を抱いた山々が眠らない白夜の情景やら
忘れられないものがたくさんあります。

次に生まれてきたら 羊飼いになりたいな
これは ほんとうにちょっとだけあこがれている
素直な気持ちです

そのためにも 美しい地球を守っていきたいですね。
ではでは おやすみなさい
きょうもありがとう。
これからもよろしくね
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# by forest_poem | 2014-01-29 06:43 | 詩 未分類

音楽に添えて_055 「それは突然に」

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アーティスト:Sixx A.M. 曲:Accidents Can Happen
(★画像をクリックすると音楽のページが開きます by you-tube)






「それは突然に」




風はいつものように

南側から 蜜柑の木のある林を抜けて

白鳥草のある花壇の家の 右肩をかすめながら

それは突然に 悲しみの理由さえ告げずに

きざした光を いたずらな気まぐれのように奪って

たたずんでいる理由さえ失くすほどに

あなたを失意へとつき落とす



気にすることないと なぐさめのように

繰り返す隣人の言葉さえ 不吉なカードの余韻のようで




      ◇    ◇    ◇




雲はいつものように

東側から 空港のその先の海から立ち昇り

つる薔薇のあるほそ長いフランス庭園の片隅をなぞり

それは突然に 幸せの予告さえ気取らせずに

きざした影を いたずらな気まぐれのように奪って

昨日までの胸の痛みを忘れるほどに

あなたを天使の頬笑みで包みこむ



気にすることないと 告げてくれた

隣人の優しさにあらためて気づき 未来へのカードをつかむ




それは突然に きっと突然に

運命はめぐり かなしみも よろこびも

めぐり めぐらされ めぐり 日めくりのように 変わる




だから 自分を信じて

だから 私を信じて



これが 有明の国の論理

これが 愛にあふれた論理

これが あなたへ届けたい 私の言葉

これが 明日を信じたい 私からの手紙














作品展示会などの予定が詰まっていて、久しぶりの更新になってしまいました。
ご心配かけてすみません。
本人はいたって健康で、元気です。

近々近況報告の画像などもアップしたいと思っています。


ひさしぶりの書き下ろし詩は、なんだかいつも以上に荒削りで独善的な言葉になってしまいましたが言いたいことは、いいこともあれば、悪いこともある。だから自分を信じよう。そしてあなたを信じている私を信じてね‥というような意味です。

また少しずつ、書き飛ばしはじめれば 美しい言葉や表現も生まれてくるかもしれませんが 素朴な言葉や荒削りな言葉こそ真実をまとっているような気もして、そんな自分もきらいではないってことに気付きました。

すっぴんさらすようですこし、気恥ずかしいですけれどね^^

ではではまた。
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# by forest_poem | 2013-11-18 23:03 | 音楽に添えて

音楽に添えて_邦楽編013_「失われた鏡」

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アーティスト:ナイトメア 曲:忘れな草
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「失われた鏡」 文 朋田菜花





その壁にはね

失われた鏡がいまも形なく掛けてあって

夜12時をすぎるとアーチ型の扉が開くの

そう まるで私の失くした心の鍵が開くみたいに

家族は鏡の失われた壁を見るたびに

私のことを気遣って沈黙したまま

無言で食卓を囲んだ



そんな砂をかむような時間を

何日も何カ月もこのまま過ごすのかと

そう思っていた




何度叫んでも涙流しても

届くはずないから 冷静を装って生きてきた

クールに微笑んでる私しか人は知らない



失われた鏡の通路の向こうに

ちいさな隠し部屋があるの

ロザリオのしまってある宝石箱の隣に

あなたそっくりのマリオネットが座ってる

糸で操って こんにちは とか バイバイ とか

アイラブユー とか 言わせてみたり

むなしい一人芝居を重ねてきた



そんな悲しい時間とも今日でお別れ

鏡の通路を漆喰でふさぐから

さよなら さよなら マリオネットの恋

もうあなたとは永遠に逢えない

夢でめぐりあうことももうないから

そちらの世界で素敵な恋をみつけてね



永遠に鏡は失われ こんどこそ本当に失われ

アーチ型の出入り口はもう開かなくなったから

アフロディーテに扉の鍵を託して

誰もがもうそこになにが置かれていたか

記憶を喪失した そして まるで

森に棄てられたダビデ像のように

誰もあなたのことを思い出さなくなった













いまや、国際認知をかちとりつつある日本のロックアーティスト「ナイトメア」
彼らの代表的なロスト・ラブソングのうちのひとつ「忘れな草」を今回のお題にしてショートストーリイを綴ってみました。

家の中に、なにか失われたものがあるということと、心の中にぽっかり失われた部分があるということとはどこかシンクロしているような気がします。
何かを忘れるためには、それを片づけたりあるいは全く違うものとして模様替えしてしまうことなどが必要かもしれませんね^^
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# by forest_poem | 2013-09-24 23:34 | 音楽に添えて

音楽に添えて_054 「愛に気づいた日」

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アーティスト:Dust in the wind 曲:Kansas
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「愛に気づいた日」 文 朋田菜花




海の向こうに飛び去った小鳥を追って

窓辺にたたずみ

彼方の空ばかり見ていた

そんな私はあなたに

何日も何日もさびしい後ろ姿だけ見せていたのねきっと



あなたは

小鳥の飛び去った海ごとつかまえてきそうなぐらい

真剣な眼をしていたのに

そしてかなしい瞳で私を見ていたのに

唇からはいつも歌があふれ

笑わせてくれたから

私 気づかなかった

ううん 幸せすぎて気づけなかったのね

少しずつ失った小鳥と 

そして小鳥とともに飛び去った夢を忘れ始めていた



あなたのくれたこの歌を

今日から口ずさんでみる

なにが変わるのかわからないけど

昨日までと違う私になれそうな気がする

風はいつも吹いていたのに

今日の風は今日しか吹かないし

明日の風は今日とはもう違うのだから

もう通り過ぎた時間を振り返るのはやめてもいいよね



あなたのくれたこの歌には

あの頃暮らしていた海に近い街の匂いがして

忘れていたざわめきが蘇ってくる

海の匂いに森の匂いがまじりあい

そして人々のざわめきが生きていた街

私の胸に熱い愛がまだ息づいていること

気づかせてくれたこの歌を

今日から毎日口ずさんでみる



今日の風は海風

あなたへと吹いている

私からあなたへと



おやすみなさい 星空にそっと

ささやいてみたよ











Kansas(カンザス)のこの曲は、歌詞はすべては風の中にあると・・・ボブディランの曲とどこか似ている気がするのにこんなにも違う風景を感じさせるのは、広がりのある曲のイメージのせいでしょうね。
万物は流転すると言ったのは哲学者ヘラクレイトスですけれど、すべてのものはうつろい変化していくのだからその事実をうけとめ生きていくことは、生きていく私たちの必然ですよね。

「悲しいことなどもう忘れなさい」という代りに、この歌をそっと贈られた時、主人公は静かな愛の存在を知りました。そして自分にとって本当に大切な人は誰であるか気付いたようです。
そんなショートストーリーを今日は綴ってみました。
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# by forest_poem | 2013-09-23 23:58 | 音楽に添えて

漂泊の森NO.026 「ゆるがないもの」

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アーティスト:Matt Darey 曲:Allways
(★画像をクリックすると音楽のページが開きます by you-tube)







「ゆるがないもの」 詩 朋田菜花




ゆるがないもの それは

るいるいとつみかさねゆくひび

がさりとおとをたててとりはとびたち

なきごえさえのこさないけれど

いつもこえをひそめて わたしはいのる

もどってきたときにあなたにほほえむために

のにさくはなよりしずかにゆるやかにたちづづける







季節はめまぐるしくめぐるけれど、うつろいゆく日々の中でゆるがないもの。
それがある限り、未来の扉はひらかれると信じて。
静かに、ひそやかに 待ち続けます。

秋はもうだいぶ深いですね。
美しい色合いが風景を染めていきます。
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# by forest_poem | 2013-09-22 04:15 | 漂泊の森_短詩綴り
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創作モード炸裂。ファンタージュの森を生く。


by forest_poem
line
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